5. ACTの必要性・「ケアマネジメント」との関係・位置付け

-ACTの必要性

  精神障害を抱えた人たちに提供されるケアマネジメントには、様々なモデルがあります。ACTはその中でも集中的・包括的なケアマネジメントのモデルであり、重い精神障害を抱えた人たちを対象にしています。
  平成15年度より本施行となった「ケアマネジメント」でもっとも対応が困難であるのは、症状が不安定であったり強く持続したりするために、日常生活の維持が困難であるような重い精神障害を抱えた人たちの場合です。しばしば、彼らは、症状や障害のために、買い物などの外出や交通手段を使っての移動、日常必要な会話などに困難を感じる場合もあります。このような傾向が顕著になると、いわゆる「ひきこもり」の状態を呈する可能性があるため、こちらから訪問してていねいに関係作りを行い、サービスにつなげる必要があります。また、再発の危機の時なども、サインに気づいて自らが早めに対応する事が難しく、救急医療システムを利用することも多くなってしまいます。
これらの問題に対応するためには、

    ①安定した関係を築けるだけの充分なコンタクトが利用者とケアマネジャーとの間にあり、
    ②家庭訪問などケアマネジャーが生活の場に出て行く方法論をもち、
    ③直接医療的介入も行える要素をもったケアマネジメントのシステム、すなわちACTのようなプログラムを準備しておくことが必要です。

―「ケアマネジメント」との関係・位置付け

  「ケアマネジメント」は、利用者のニーズに対して提供される様々なサービスの調整を中心としたモデルであり、1人のケアマネジャーに対する利用者の比率が高くなっています。一方で、ACTはすでにふれたように、福祉・保健・医療を包含した包括的なサービスを、多職種チームが提供しており、1人のケアマネジャーに対する利用者の比率も10人程度に設定されています。どちらのモデルも地域精神保健システムの中に共に位置づけられるべきで、各モデルに応じて重症・軽症など対象者層が異なることになります。このような異なるケアマネジメントのモデルをもとに、就労支援・住居支援のような機能分化された複数のプログラムが、地域精神保健システムの中で統合された形で存在することが望ましいでしょう。




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