ピアサポート

2018年4月より、「経験専門家プロジェクト」を開始しました!

「経験専門家」とは、フィンランド語の”Kokemusasiantuntija”、英語の“Expert by Experience”の和訳です。フィンランドでは、精神的もしくは身体的な病気や障害(もしくは他の人生上の困難な体験)をもつ人が、自分の経験を他者に話す(分かち合う)ためのトレーニングを受けることで、「経験専門家」として、同じような病気、障害、困難をもつ人のピアサポートに携わっているそうです。また、一般の人々、医療の専門家や教育者、学生等に対して、講演会や特別授業などで自分の体験について話をするという活動も行っていると聞いています。

ACTなどのアウトリーチ支援では、スタッフと利用者さんは、(もちろん、相互に助け合い、学び合うということはいつでも起こり得ますが)「支援する人」と「支援される人」という関係であり、それはこの活動の性質上、避けられない関係性であるといえます。ピアサポートはどのような立場の人にとっても大事であると思います。しかし、それが「ピアスタッフ」と「利用者」の関係になったとき、それはほんとうに‘ピア’といえるのか?ピアサポートにまで「支援―被支援」という関係性を適用する必要はないのではないか?
それが本プロジェクト発案のきっかけとなった問いでした。

本プロジェクトで行っていること:
<経験専門家養成講座>
全12回 4月~7月(毎週開講しました(終了))
    9月~3月(隔週開講となる予定です)
ACTIPSでは、2018年4月上旬から7月上旬まで試行的に、「経験専門家養成講座」として、「語り聴く会」(Story Sharing)を毎週月曜日の夕方16:00から17:30の1時間半、12回シリーズで開催しました。
参加者は、精神科治療経験をもつ4名と、ボランティア2名、ファシリテーターを務めたスタッフ2名(真嶋、下平)でした。この会を運営するにあたり、フィンランドのオープンダイアローグやノルウェーのトム・アンデルセンらの始めたリフレクティングの考え方や対話の在り方、アメリカのシェリー・ミードが始めたインテンショナル・ピアサポート(IPS)の考え方といくつかのワーク、ジョン・カバットジンの開発したマインドフルネスストレス低減法の考え方といくつかのワークをプログラムに取り入れました。9月からは隔週の月曜同時刻に開催予定です。  
Story Sharingでは、参加者は輪になって座り、「聴くこと」と「話すこと」を分ける対話の場のなかで、話し手(語り手)は自分自身が体験してきたこと、自分自身のことを自由に話します。そのとき、その人は自分自身の声を聴くことにもなります。そして他の人が話をしているときには、何を感じたとしても、何を思ったとしても、話すことを求められない限り、ただ、黙って話を聴きます。

<経験専門家の登録制>
全12回の講座を終えて、5人の経験専門家が誕生しました。
そのうち、精神科治療「経験」のある方は2名です。

<どんな活動をするか?>
(1)スタッフ研修での講話:2018年8月13日には経験専門家とスタッフのミーティングを行い、経験専門家の方々に養成講座に参加することにした動機や講座での体験や感想などを話していただきました。
(2)訪問同行:希望される利用者さんのところに訪問し、養成講座で行ったようなStory Sharingを行っています。