ACTの利用者ってどんな人?

わたしたちが提供する「ACT」プログラムを利用する方が抱える病の特徴と、わたしたちの支援方法を紹介します。

ACTの利用者が抱える精神の病気とは

ACTIPSなどの支援者が提供する「ACT」プログラムを利用する方は、統合失調症、重度のうつ病、そううつ病と診断される病を抱えています。そして多くの方が、病からくる症状とともに”生活の難しさ”を感じています。

たとえば、自分の悪口を言う幻聴が聞こえるという症状があるために、不安になって人間関係がうまく築けない。気力がわかないという症状があるために、家の中に引きこもってしまう…。症状が結果として、“生活の難しさ”に結びつくのです。その“難しさ”は、人が生活するうえで必要最低限の衣・食・住を確保すること、生活に必要なお金を得ることなど、人によってさまざまです。

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病を抱えるご本人も支援する側も、どうしてもこのような“病”や“生活の難しさ”に着目しがちです。しかし、これらの困難に対して「解決しよう」と正面から取り組んでいると、悩み、疲れ、そのうち「必ず解決しなければならない」という焦りや緊張感を抱えるようになってしまいます。そして、その方の人生の中に、“病”や“生活の難しさ”が大きく居座ってしまうことになります。

長所や夢、希望をもう一度思いだせるように

しかし、 病を抱える人にとって、“病”や“生活の難しさ”は人生の中で大きな位置を占めるべきものなのでしょうか?わたしたちは、そうではないと考えます。

ACTが大切にしているのは、“病”や“生活の難しさ”を抱えながらも、その人らしい人生をおくるための工夫を一緒に考えるということです。
ACTを利用する方の中には、歌が好きな人がいたり、ギターの演奏が得意な人がいます。友人や恋人を得たいという希望や、会社に就職したい、パイロットになりたいという夢を語る人がいます。しかし多くの方は、病を得てからの時間、病に対処しなくてはならない時間が長すぎたために、以前は持っていた夢や希望をすっかり忘れていた、あきらめていたと話します。わたしたちの支援はこのような、ともすれば病と対峙する中で自分自身も見失ってしまうような、その人の長所(ストレングス)や人生に対する夢、希望を掘り起こすお手伝いをすることなのです。

ACTは時間をかけてじっくりと取り組む支援

この支援方法には時間もかかります。また、長所や夢、希望を掘り起こす中で、時には“病”や“生活の難しさ”が大きくなり(「危機的状況」といいます)、直接的に危機的状況への対処に力を割かなくてはいけなくなることもあります。しかし大事なのは、そうした危機的状況の中でも、今まで取り組んできたことを忘れずにいること、そして危機的状況が去ったあとには、必ず「長所や夢、希望を掘り起こす」という作業に戻ることだとわたしたちは考えています。

その作業は、畑を耕すことに似ています。硬くなった土を、空気を入れながら、少しずつ掘り起こしていくのです。

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大事なのは、掘り起こすのはあくまで本人だということ、そしてその作業は本当に時間がかかるものだということを忘れずに、じっくり取り組むことです。私たちは、耕す本人の気持ちを隣で支え、時には一緒に困ったり悩んだり笑ったりしながら、共に歩んでいく支援を目指しています。

自分の人生を楽しめるようになり、大切なものだと思えるようになる。そしてゆくゆくは”病”や”生活の難しさ”が人生の中で占める割合が小さくなる、そんな支援をしていきたいと考えています。