オープンダイアローグの研修会に参加して

2016年06月22日 | Uncategorized

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 5月13日(金)〜 5月15日(日)に精神病への対話による介入手法として国際的に注目されているオープンダイアローグの主導者・ヤーコ・セイックラ教授と、未来/予測型ダイアローグ(Anticipation Dialogue)の提唱者、トム・アンキル教授による3日間のワークショップが開催されました。二人は最近日本評論社から日本語訳が発行された「Dialogical Meetings in Social Networksオープンダイアローグ」の著者です。当法人からも2名のスタッフが参加してきました。主にヤーコさんとトムさんの講義形式で進められ、3日目には実際の利用者さんが参加した形でヤーコさんがメンバーに加わって行われる治療ミーティングを見せていただきました。
 約200名の参加者で大人数ではありましたが、何度も近くに座る人と話をすることや、質疑応答を通してリフレクティング※1を行いながら、オープンダイアローグの雰囲気を体験することが出来ました。
 ヤーコさんが強調していたこととしては「ダイアローグは相手の言ったことに反応して行われ、ダンスのようなものなのだ。」と言うことです。ヤーコさんは何年も相手の波長に合わせることに集中して会話をしてきたと言われていました。実際ワークショップ中は、文化も法律も違う日本に住む私たちに対して、ヤーコさんとトムさんは「これが正しい」とオープンダイアローグを押し付けるような言い方はせず、沢山の質問に対しても、その質問者に波長を合わせてお話されていたのがわかりました。
 また、リフレクティングはネットワーク間の人と人の間で行われるだけでなく、対話している個人の中、つまりその人の「過去の経験や思想」と「現在話をしている自分」との間でも行われるということを強調されていました。そのためか、ヤーコさんやトムさんは会場全体の人と人の間だけでなく、質問者自身の中でもリフレクティングがなされるように配慮して質問者と対話しているようでした。
 また、私が印象に残った言葉としては、
「対話は人をコントロールするために行うのではない、変えられるのは自分だけ」
というトムさんの言葉です。
 普段、専門家である自分が正しいと思い込み、利用者さんやそのまわりの人たちを支援しようとするあまり、いつの間にか相手をコントロールしようとして会話していた事に気が付きました。それはモノローグだったのです。もっと、利用者さんの考え方や思いを聴き、専門性をもつ自分がそれによって響くように変化し、対話(ダイアローグ)しても良いのだと感じました。そういう時こそ、利用者さんも自分も伴にダンスをするように変化していけるのではないかと思いました。
 なかなか普段の仕事の中でオープンダイアローグを原則通り※2に行うことは難しいのではないかと、参加する前は諦めている部分もありましたが、ACTIPSでもこのようなことを行っていくには、自分はどのように変化できるのかを改めて考える良い機会になりました。

※1 リフレクティング
ノルウェイの精神科医であるトム・アンデルセンによって提唱された家族療法の手法、リフレクティング・プロセスからきている。リフレクティング・プロセスとは話し合いを行うグループを『主題について話合うグループ』と『観察者としてのリフレクティングチーム』の2つに分け、一方は事例等の話しの主題となる事について話し、もう一方は観察者として議題について話されたグループについて話す。これを繰り返す事で意見を反響させ、異なった循環を生み出す事で解決を図る技法。(2016年3月24日の当ブログより引用)リフレクティングとは簡単に言うと「会話」についての「会話」といったところか。

※2 オープンダイアローグの原則
①即時に応じること
②ソーシャル・ネットワークを引き入れること
③個別で具体的かつさまざまなニーズに柔軟に対応すること
④責任をもって対応すること
⑤心理的な連続性を保証すること
⑥不確かさに耐えること
⑦「対話」が行われていること